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2024.07.23

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待つ心 /  クァク·ドンヨン



 

「ゴドー」という名の情熱と希望を抱いて、クァク·ドンヨンは再び舞台に向かう。


 


ジャケットとシャツ、パンツ、シューズ、ネックレスはすべてディオール(Dior)リングはティファニー(Tiffany&Co) ソックスはスタイリストのコレクション。

手にしたオブジェは演劇の小道具だ。

 




ジャケットはマーティン·ローズ·バイ·アデクーベ(Martine Rose by Adekuver)インナースリーブレスはスタイリストのコレクション 帽子は芝居の小道具。

 




ニットとパンツはメゾン·マルジェラ(Maison Margiela) ネックレスはスタイリストのコレクション。

 




上半期最高の話題作『涙の女王』以降、すぐに演劇を選びましたね。 それだけ舞台が恋しかったんですか?
初めてお話しするのですが、当時「涙の女王」とは違う作品に悩んでいました。 会社の方々と目をつぶって投票までして決めたのですが、うまくいってとてもありがたかったです。 私は続けて演技をしなければならないと思うんですよ。 インスピレーションを与えておいてそれを作品に使えるタイプではなく、むしろ運動選手のように毎日練習しなければならないのです。 そこでちょうどいい作品と出会いました。

演劇もミュージカルもできたはずですが。
今ミュージカルは個人的には引退しました… デビューと同時に引退。(笑)

反面、演劇は初公演以来着実に続いています。 最初の芝居が「エレファント·ソング」でしたが、どのように始まりましたか?
21歳の時でした。 演技を専攻したわけでもなく、体で自然に体得しながら仕事をしていたところでした。
当時ナインストーリーの代表が「エレファント·ソング」の新しい顔を探していました。
美容室で髪を切っている時に台本をもらったのですが、とても面白くて切り終わったのにずっと座って読んでしまいました。

 マニアがいないはずがない、面白い作品ですよね。 それでも初演劇に挑戦する時は勇気が必要だったはずですが。
今もそうですが、その時も演劇活動を長くされた先輩たちがメディアに突然「ぱっ」と現れ、何かを「ぱっ」と見せてくれる事例が多かったです。
それでとても気になりました。 そこに行けば何があるのかな? そこで修練をしたらどうなるかな? その好奇心が一番大きくてやってみることにしました。
当時はよく分からなかったからできたんです。 今ならできなかったと思います


偶然のように訪れたチャンスをつかんだのですね。 そうして21歳で始めた「エレファント·ソング」の舞台に3回たちましたね。
もうしません。(笑)

はは、今度は「エレファント·ソング」引退宣言ですか?
もうできることは全部した気がします。 初公演は残念な気持ちが多かったです。 2回目はすぐ次のシーズンをやりたかったのですが、他の作品のせいでできなかったことが悔いが残っています。 そして昨シーズンに3回目の公演をして、すっきりしました。「エレファント·ソング」のマイケルが劇中で23歳です。 マイケルを21歳、23歳、そして昨年27歳で演じました。 公演のプロフィール写真を3枚見てみるともうマイケルとは思えませんでした。年を取ったんです。

その時だけできる作品だった?
私の考えではマイケルはか弱く、ちょっと少年のような味がなければいけないのに、もう私からはそんな感じがしないんです。 でも、私がこう言うと兄さんたちが「30代半ばでも学生役をするのに、おまえがそんなこと言ってもいいのか」と言われます···(笑)
 

演劇を経験した後、自分で変わったことを感じましたか? 演劇が気になっていましたが何か変化はありましたか?
数ヵ月間、演技の練習にだけ集中するというのがまずはとても良かったです。 その当時はドラマの現場でそんなことを期待することはなかったんです。 でも実際すぐに適用されたとは言い難いですね。 むしろメディアと舞台を行き来する時に両方の方法を知ってシナジー効果が出るようです。 その力がすごく良くて、そして演劇で演技だけに集中する経験をしたことも大きいです。 演劇をしながら一番良かったのは、今日何かが残念に思えたりミスをしても明日またできるということ。ドラマは撮影して放送されたら終わりじゃないですか。残念さもミスも永遠に残ります。しかし、演劇は続けることができます。 果敢にやってみることもできるし、何かを追加したり、何かを減らしたりできるのが良かったです。
 

9月7日に舞台に上がる『「ゴドーを待ちながら」を待ちながら』は、サミュエル·ベケットの「ゴドーを待ちながら」を少しひねった原作と同じテーマを伝えながらも違う作品です。 エストラゴンとウラジーミルの「アンダースタディー」俳優のエスターとベルを登場させ、原作をオマージュした作品ですよね。
そうです。原作が大好きなアメリカのデイブ·ハンソンという劇作家が書いた作品ですが、この方が俳優でもあります。 本俳優が舞台に上がることができない突然の状況に備えて、同じ配役を練習しながら待機する俳優をアンダースタディー俳優といいますが、この2人の俳優が劇場の最も隅っこの楽屋で待機しながら舞台に上がる機会を待ちます。 原作の「ゴドーを待ちながら」が伝えたい哲学や観念のようなものを、より簡単で愉快に伝える作品です。 私もどう話せばいいのか悩みますね、韓国初演で私も本格的に練習してまだ2日目ですから(笑)



 



ジャケットはアミ(Ami)ネックレスはクロムハーツ(Chrome Hearts)ブレスレットとリングはピアジェ(Piaget) 薬指リングとスカーフはスタイリストのコレクション。


 




ジャケットとトップはドリス·ヴァン·ノートン(Dries Van Noten)リングはドルチェ&ガッバーナ(Dolce&Gabbana)ネックレスはトム·ウッド(Tom Wood)

 



 

今日の撮影にも実際の演劇小道具を使いました。 夕方の公演前に必ずお返ししなければならないですね!
実はこの作品は原作者がサミュエル·ベケット財団の著作権を賢く避けていった作品の一つなんですが、面白いのは韓国では二つの作品が同じ制作会社なんです。 それで、この帽子と靴、小物は今先生たちも使っています(笑) 僕たちも続けて使います。

「ゴドーを待ちながら」は不条理劇の代表作品であり、現在も俳優シン·グ、パク·グンヒョンの公演が繰り広げられている作品です。 なぜ俳優も観客もこの作品に魅了されるのでしょうか?
私も先生たちの2回見ました。あんなにまで本物のような演技をあんなにまで徹底的に約束された状態でできるなんて。 そして観客を集中させる力がすごいですよね。
関係者の話では、公演する時のほうがコンディションもっと良いそうです。

また見る人によって、おもしろみや解釈が違うことでも有名ですよね。
それがすごく面白かったんです。「ゴドーを待ちながら」が最初に公演された時、観客と批評家の両方からそっぽを向かれたが刑務所の収監者たちは熱狂したと言います。
彼らには「ゴドー」が自由の意味として心に響いたようです。

俳優のクァク·ドンヨンにはどんな話で近づいてきましたか?
劇中で二人の人物は「行こう」「ダメ、もっと待とう」をめぐってずっと葛藤するんですよ。 私たちの作品も同じで、私が人生で望むその何かが、「ゴドー」(希望)が何かは分からないがそれを順応して待つのか、あるいは探して去るのか。 そんな話に感じられました。 私もいつもそれで悩んでいるんです。 俳優は宿命的に選択を待つしかありません。
でも待っているだけでいいのか? これがいつも自分自身に投げかける質問です。
 

質問が同じでも、その答えは毎回変わるでしょう。 今の答えは何ですか?
どうするんだ、もう生まれてこの職業を選んだのに。生きていくことになってしまったのに(笑)だからとりあえずやってみようと。
私はいつもそういう主義です。 私の人生を貫くある考えと、今回の作品が言おうとしていることが同じでした。
 

今回の「ゴドーを待ちながら」はイ·スンジェ先生とダブルキャスティングです。 どんなお話をされましたか?そうです。同じ配役をしていて、イ·スンジェ先生のチームと私たちのチーム2つがあります。 僕はパク·ジョンボクさんと一緒です。 兄さんとは「エレファント·ソング」も一緒にしたので私たちは一ヶ月前からずっと会って夜明けにも話しながら準備しました。 しっかり準備してみよう。 少し色が違う2つのバージョンになりそうです。 先生と今週初めての練習を一緒にしましたが、幸いにも大きく怒られたりはしませんでした。(笑)
「公演する時俳優たちは観客が誰であれ、私たちがしようとする話を全て伝えなければならない。 それが公演の第一の目標だ」とおっしゃっていました。

演技するうえでの軸を話してくださったんですね。
私はそういうのが大好きです。 働きながら様々な先輩に会うじゃないですか。 みんな違う価値観とそれぞれ違う作業方式を持っているので、覗き見をしながら少し考えてみると私の軸も少しずつ作られるようです。 既存の私が持っている価値観が崩壊したり、新しくできたりするそんな時間を過ごしています。

 一番早く進む時代に一番遅いやり方を愛することについてはどうですか?
私はニューメディアに抵抗したい気持ちがあるタイプですが、ある瞬間OTTドラマを見ていて10秒後にスキップする自分自身に鳥肌が立って…
なので演劇を見にいらっしゃる方々にぜひ来ていただいてよかったという気持ちをお伝えしたいです。
 

「ゴドー」の別名は「希望」とも呼ばれます。 今は来なくてもいつかは来る。 いつか会いたい「ゴドー」はありますか?
あります。「純度の高い平和」を渇望しています。 いつかは会えますよね。


では最後に今回の作品のセリフ一文でインタビューを終わりにしてみますか?

「私は今より良くなればいいんです。 これ以上待ちたくないんですよ。」